第15回 台風などの気象災害から身を守る⑤暴風対策と強い家づくりのポイント

住まいの防災講座15回のサムネイル画像

――防災講座では、「台風などの気象災害から身を守る」情報を4回に渡り紹介しましたが、今回は、その中から「暴風対策」についてまとめました。台風が来る前の対策や、暴風・強風に負けない家づくりについて、この機会に改めて考えてみましょう。

 

 

防災知識クイズ
耐風等級は、何等級まである?
①1~2等級
②1~4等級
③1~6等級

※クイズの答えは本文中にあります。

 

1.台風による暴風が引き起こす被害

暴風のイメージ画像
2019年9月に東日本を直撃した超大型の台風15号。関東地方に上陸したものとしては観測史上最強クラスと言われています。
台風15号は、千葉県内で観測史上1位となる最大瞬間風速57.5m/sを記録、千葉県を中心に建物の損壊や木が倒れるなどのほか、大規模な停電や断水が発生するなど、大きな被害が出ました。
暴風・強風により、住宅でも飛来物で窓ガラスが割れたり、外壁材や屋根材が飛ばされてしまうなどの被害が発生することがあります。
暴風に関する気象情報が発表されたら、風が強くなる前に建物や外まわりを見直しましょう。

▼「台風が接近する前に備えたいこと」については、下記の記事で紹介しています。

第10回「住まいの防災講座」のサムネイル画像第10回 接近する前に備えたい6つのこと

 

2.風で住宅が倒壊する?

2020年に九州地方に接近した台風10号では、気象庁が一時、最大瞬間風速80m/sになる恐れがあると発表するなど、早い段階から被害に備えるように注意が呼びかけられました。

おおよその瞬間風速(m/s) 人や車、建造物への影響
20m/sを超えると…

風に向かって歩けなくなり、転倒する人が出る。高い場所での作業は危険。

風速20m/sのイメージ画像
30m/sを超えると…

細い木の幹が折れたり、看板が落下・飛散、道路標識が傾く。

風速30m/sのイメージ画像
40m/sを超えると…

走行中のトラックが横転する。

風速40m/sのイメージ画像
50m/sを超えると…

外装材が広範囲にわたって飛散し、下地材が露出するものがある。

風速50m/sのイメージ画像
60m/sを超えると…

住宅で倒壊するものがある。鉄骨構造物で変形するものがある。

風速60m/sのイメージ画像

 
※リーフレット「雨と風(雨と風の階級表)」より作成(イラストは気象庁提供)

気象庁が発表している「風の強さと吹き方」によると、瞬間風速が30m/sを超えると看板の落下の恐れが、瞬間風速が40 m/sを超えると風は特急電車なみの速さと言われ、養生が不十分な仮設足場が崩落したり、走行中のトラックが横転する恐れがあります。
また、瞬間風速が60 m/sを超えると「家が倒壊するものがある。鉄骨構造物で変形するものがある」とされています。
マイホームを新築する際は、こういった暴風・強風にも考慮した家づくりを検討されるとよいでしょう。

「風の強さと吹き方」気象庁(PDF)

「最大瞬間風速」のこと知っていますか?

風は強くなったり、弱くなったりするので、10分間で平均をとって、風速〇〇m/sとあらわします。「瞬間風速」は、0.25秒間隔に測られる風速の3秒間の平均値です。その決まった期間の中で最も大きい値を「最大瞬間風速」と言います。

瞬間風速は、平均風速の1.5~2倍以上になることがあります。たとえば暴風警報が発表され、「25m/sの暴風の恐れがある」といった場合、瞬間風速では50m/s近い風が吹く可能性があるので、注意が必要です。

 

3.暴風・強風に強い家を建てるには

住宅のイメージ画像
家づくりの際は、暴風・強風に対する強さも考えたいものです。その際、建物の形状や構造がポイント。風が吹き込む軒を大きくし過ぎないなどの工夫のほか、細長い間取りで風が当たる面が大きい建物の場合は、注意が必要です。

家が風に強い構造かどうかは、「住宅性能表示制度」を利用するとわかります。その中でも、「暴風」などの外からの力に対して家がどれだけ強いか、等級で表示する「耐風等級」というものがあります。

耐風等級のイメージ画像

耐風等級1は、「極めて稀に(500年に一度程度)発生する暴風に対して倒壊や崩壊はしない。稀に(50年に1度程度)発生する暴風に対して損傷を生じない程度」の強さを表します。耐風等級2は、さらにその1.2倍の暴風に耐えうる強さになります。

※極めて稀に発生する暴風とは、東京近郊の住宅を想定した場合、高さ10メートルの位置で最大瞬間風速が約50m/sの暴風に相当、稀に発生する暴風は、最大瞬間風速が約45m/sに相当します。(一般社団法人 住宅性能評価・表示協会HPより)

あわせて、雨戸やシャッターなどの設備も考慮しましょう。最近の窓ガラスは強度があるものが多いので、暴風で割れることはあまりないようですが、モノが飛んでくるなど、衝撃を受けた場合には割れることがあります。

最近は、超大型台風が日本列島を通過、上陸することも多くなっています。暴風・強風も考慮し、「耐風等級2」を取得できる強い家を建てることをオススメします。
 

【防災知識クイズの答え…①】
耐風等級の最大等級は「2」。耐風等級2は、500年に一度程度発生する暴風による力の1.2倍の力に対して倒壊や崩壊しない強さです。

 

 

【ポイント】
瞬間風速が60 m/sを超えると家が倒壊することがある。
台風の前には家の外にある飛ばされそうなものを片づける。
住宅性能表示で家の風に対する強さを確認しよう。
雨戸やシャッターは、台風対策にもなる。

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