第14回 必見!地震に強い家を建てるために②「構造計算」と「耐震等級3」にこだわろう

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――防災講座第13回では、地震に強い家を建てるときに家の強度を確認するポイントを紹介しました。今回は、その続きをお伝えします。

 

防災知識クイズ
家の安全性をチェックするために「壁」「部材」「地盤・基礎」を確認します。その時の計算方法で一番構造の安全性が高い方法は?
①壁量計算
②性能表示の計算
③構造計算

※クイズの答えは本文中にあります。

 

1.家の強度をはかる計算方法は3種類!

家の強度は、「壁」「部材」「地盤・基礎」の3つの分野を計算して調べます。
その計算方法は、「壁量計算」「性能表示計算」「構造計算(許容応力度計算)」の3種類あります。
それぞれ何が違うのでしょうか?

(1)壁量計算

建築基準法で定められた、一般的な2階建て木造住宅で行う計算方法。
3つの分野のうち主に「壁の量」だけを調べる比較的簡易な計算方法です。
一般的に使われている計算方法ですが、安全性を判断するには検討項目が少ないとも言われています。
 

(2)性能表示の計算

質の良い住宅を安心して取得するためにできた法律「品確法※」にある計算方法。
地震、風、大雪などを考慮したものさしである「耐震等級」、「耐風等級」、「耐雪等級」で計算をします。
長期優良住宅では、耐震等級2を取得しなくてはいけないので、長期優良住宅の普及とともにこの計算方法を利用する住宅が増えています。
 

(3)構造計算(許容応力度計算)

木造3階建て住宅や、規模の大きい建物で行われる計算方法。
建築基準法で定められた計算方法ですが、木造2階建て住宅には義務付けられていません。
「壁量計算」「性能表示計算」に比べて詳細に計算を行う、最も安全性の高い計算方法です。
 

3つの計算について構造の安全性を示す図

依頼する住宅会社や設計士によって、家の強度をはかる時に使う計算方法が違います。
「構造計算」は、難しく手間も知識も必要なので、どの住宅会社でもできるものではありません。
実際に「構造計算」まで行っている住宅会社は非常に少ないのです。

補足説明:「壁量計算」「性能表示計算」など、これらの計算をすべて合わせて「構造計算」と呼ぶこともあります。

※住宅の品質確保の促進等に関する法律
 

【防災知識クイズの答え…③】
「構造計算」は、それぞれの項目を詳細に計算するため、最も信頼性が高いと言われています。

 

2.安心な木造住宅を建てるなら「構造計算」を

住宅の構造イメージ
一般的に2階建ての木造住宅では、(1)の「壁量計算」でOKとなっています。
「壁量計算」は、主に壁の量を調べます。簡易な仕様規定(決められたルール)を満たすかどうかをチェックするだけで、結果を検査機関へ提出する必要がなく、建築士任せとも言える方法です。
「構造計算」は、「壁」「部材」「地盤・基礎」のあらゆる要素を緻密に調べるので、自分の家が地震や台風などの力にどれだけ耐えられるかを調べることができる方法です。
しかし、一般的な2階建ての木造住宅を建てる際には義務化されていないので、「構造計算」をしていない例も数多くあるようです。
 

3.「構造計算」&「耐震等級3」にこだわろう

住宅の構造部材イメージ
地震に強く安心な家を建てるなら、義務化されていなくても「構造計算」をして建てることをオススメします。
「テクノストラクチャーの家」は、全棟「構造計算」を行っています。
家は、一棟一棟、形や大きさ、重さ、建てる地域も違います。
一棟ごとの条件に合わせて家の強さを確認するのがテクノストラクチャーの「構造計算」です。

さらに「構造計算」以外に、家づくりでこだわってもらいたいのは「耐震等級3」の強さを確保すること。
住宅の耐震等級の図
耐震等級とは、1から3までの数字で地震に対する強さを表す指標です。
建築基準法を満たす最低ラインは耐震等級1相当ですが、熊本地震では、耐震等級1の家だけでなく、耐震等級2でも被害が出ています。
一方、耐震等級3では、大きな損傷は見られず、大部分が無被害だったとの報告があります※。
「構造計算」をしても、必ずその家が「耐震等級3」になるとは限りません。
地震に強い家を建てるためには、「構造計算」と「耐震等級3」の両方にこだわってください。

※「熊本地震における建築物被害の原因分析を行う委員会」報告書より(国土交通省)
 

▼耐震等級については、下記の記事で紹介しています。

第2回「住まいの防災講座」のサムネイル画像第2回 地震に対する強さの基準「耐震等級」って知ってる?

 

【ポイント】
依頼する住宅会社や設計士によって家の強さをはかる方法が違う。
安全な木造住宅を建てるためには、「構造計算」がオススメ。
構造計算だけでなく、「耐震等級3」にこだわる。

 

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