第17回 住まいの火災対策②火災に強い家づくりと備え
――前回の第16回では、「防火地域」や「準防火地域」に建てる火災に強い家についてのお話をしました。今回は、それ以外の火災に強い家づくりと、火災に対する備えについてご紹介します。
「耐火建築物」や「準耐火建築物」以外に、火災に強い家の目安として、住宅金融支援機構が定める住宅の基準とは?
①省令準耐火構造
②強耐火構造
③高耐火建築物
※クイズの答えは本文中にあります。
1.「住宅金融支援機構」が定める火災に強い家
駅前や建物の密集地などに多い「防火地域」や「準防火地域」。
家を建てる場合、火災が起きた際の延焼を防ぐため、高い防火性能をもつ「耐火建築物」「準耐火建築物」にすることが法律で定められています。
第16回 住まいの火災対策①木造で火災に強い家を建てる
「防火地域」や「準防火地域」以外では、わざわざこうした建物を建てる必要はありませんが、どんな地域でも火災のリスクはあります。家を建てるなら、やはり火災に強い家にしたいもの。
実は、「耐火建築物」や「準耐火建築物」以外に、火災に強い家の目安として、住宅金融支援機構が定める「省令準耐火構造」という基準があります。
●省令準耐火構造の住宅とは?
1)隣家から火をもらわない(外部からの延焼防止)
隣家からのもらい火による火災に備えて、屋根や外壁、軒裏を防火性の高い構造にすること。
2)火災が発生しても一定時間部屋から火を出さない(各室防火)
壁や天井には火に強い石こうボードなどを使用し、火が他室に燃え広がりにくいように各室を完全分離する構造にすること。
3)万が一部屋から火が出ても延焼を遅らせる(他室への延焼遅延)
火の通り道になる壁や天井内部の要所にファイヤーストップ材(※1)を使って火を住宅全体に広がりにくくすること。
(※1)一般的な木造住宅において、部屋で火災が発生した際に、その火災が他の部屋に燃え広がってしまうのを遅らせる目的で設置される部材。
●省令準耐火構造の住宅にするメリットは?
住宅金融支援機構の定める「省令準耐火構造の住宅」は、長期固定金利の「フラット35」が利用できるほか、火災保険料が一般的な木造住宅と比べると約半額になるなどのメリットがあります。
テクノストラクチャー工法では、木造住宅で「耐火建築物」「準耐火建築物」「省令準耐火構造」の家がすべて建てられます。
でも、「防火地域」などの限られた条件があると、間取りの自由度がなくなってしまうのでは?という不安があるかもしれません。
テクノストラクチャー工法なら、構造の強さを生かして木造で柱が少ない広々としたリビングなどをつくることができます。ぜひ、お近くのパナソニックビルダーズグループへご相談ください。
準耐火構造に準ずる防火性能を持つ構造として、住宅金融支援機構が定める基準に適合する住宅を「省令準耐火構造」といいます。
2.火災に対しての備え「火災保険」
万が一、火災で家が燃えてしまった場合、火災保険に入っていれば「建物」や「家財」の損害が補償されます(※2)。
火災保険は、火災だけでなく様々な自然災害による損害を補償するプランもありますし、特約を付けることで、補償範囲を広げることもできます。
(※2)火災保険では、「建物」だけ、「家財」だけ、「建物と家財の両方」から保険の対象を選びます。
第11回 台風などの気象災害から身を守る④ 火災保険の「水災補償」と「風災補償」知ってる?
火災保険に付けられる特約の一部を紹介します。(※3)
(※3)特約は、単独で加入することができず、火災保険などにセットして契約します。特約の名称や内容は保険会社によって異なります。また、他の保険でも同じような特約に入っている場合もあるので、確認した上で契約することをおすすめします。
●地震保険
地震が原因の火災は、火災保険で補償されません。地震保険では、地震・噴火・津波を原因とする損害(火災・損壊・埋没・流出)を補償します。保険の対象は、「建物」と「家財」です。
●家財補償特約
火災保険は「建物」のみの契約では「家財」は補償されません。家財補償では、落雷でパソコンが壊れた、子どもが遊んでいてテレビが壊れたなど、日常生活で起こるトラブルによる損害についても補償の対象になります。
●特定設備水災補償特約
水災による損害の程度にかかわらず、空調・冷暖房設備や、充電・発電・蓄電設備、給湯設備、昇降設備などの特定の機械設備について、水災によって生じた損害を補償します。
●電気的・機械的事故特約
建物に付属している機械が、過電流によるショートや、スパークなどで焦げたり、溶けたりした場合や、稼働中に機械が折れたり、溶けたりして、故障、破損した場合に、補償される特約です。
ビルトインタイプの食器洗い乾燥機、換気扇、給湯機、インターホンなどの建物に最初からついている取り外せないものが対象です。テレビやオーブンレンジ、据え置き型の食器洗い乾燥機などは対象ではありません。
火災保険料は、コンクリート構造や鉄筋の建物の場合、火災に強い家として、木造住宅よりも保険料が安くなります。
ただし、木造住宅でも「耐火建築物」や「準耐火建築物」そして「省令準耐火構造」の家であれば、火災に強い家としてみなされ、保険料が安くなるメリットがあります。
●火災に強い家には、「耐火建築物」「準耐火建築物」以外に「省令準耐火構造の住宅」がある。
●テクノストラクチャー工法なら、木造住宅でも「火災に強い家」にすることができる。
●「省令準耐火構造」の住宅は、火災保険の構造区分で「耐火建築物」「準耐火建築物」と同等の区分になるため、保険料が一般の木造住宅と比べると半額近く安くなる。
●火災保険は、特約で補償範囲を広げることができる。
地震に強い家をつくるならパナソニックの耐震住宅工法「テクノストラクチャー」