第18回 住まいの火災対策③火災に備える設備機器

防災講座18回火災報知器のサムネイル画像

――防災講座16・17回では「火災に強い家づくり」について紹介してきました。今回は火災に備える「設備機器」について紹介します。

index
1.火災発生時のリスクが大幅に削減「住宅用火災警報器」
2. 建築時に選びたい火災に備える設備機器

・焦げつき・消し忘れリスク軽減「IHクッキングヒーター」
・安心して使える「エアコン」
・熱を感知し自動遮断する「コンセント」
3. さらに安全を考えて選びたい「防炎カーテン」

 

防災知識クイズ
「住宅用火災警報器」の種類にないものは?
①水式
②煙式
③熱式

※クイズの答えは本文中にあります。

 

1.火災発生時のリスクが大幅に削減「住宅用火災警報器」

火災報知器のイメージ画像
住宅用火災警報器は、平成18年6月1日から新築住宅での設置が義務付けられました。

総務省消防庁によると、住宅火災における被害状況の分析では、住宅用火災警報器が設置されている場合は、設置されていない場合に比べ、死者数と焼損床面積が半減したという結果が出ています(※1)。
住宅用火災警報器を設置することで、火災発生時の死亡リスクや損失の拡大リスクが大幅に削減できるのです。

火災警報器には、「煙式」「熱式」の二種類があります。部屋によって取り付ける種類が決まっていて、寝室や一般の部屋では煙式を取り付けます。

調理の煙や蒸気などがかかるなど、火災警報器が誤作動する恐れがある場合には熱式を設置することができます。台所は、「熱式」または「煙式」を取り付けますが、どちらを取り付けるかは、市町村条例によって異なります。

火災報知器のブザーが鳴っているイメージ画像

また、火災を感知した場所だけが警報を発する「単独型」と、火災を感知した場所だけでなく、他の部屋でも警報を発する「連動型」があります。連動型を設置しておくと、離れた部屋で火災が起きた場合に発見が早くなります。

住宅用火災警報器の寿命の目安は10年。いざというときに正しく作動するように、定期的な点検や10年を目安に取り替えることをオススメします。(※2)

(※1)住宅防火関係(総務省消防庁)はこちら

(※2)住宅用火災警報器には、電池式と100V式(配線)があります。電池の寿命は10年程度です。また本体の電子部品にも寿命があるため、電池式、100V式とも設置して約10年が交換の目安です。
 

【防災知識クイズの答え…①】
住宅用火災警報器は、「煙式」と「熱式」の二種類。火災の初期から発生する煙を検出し、火災を早期に発見できるので、基本的には「煙式」が設置されますが、台所など大量の湯気や煙が出る恐れがある場合には「熱式」を設置することもあります。

 
 

2.建築時に選びたい火災に備える設備機器

●焦げつき・消し忘れリスク軽減「IHクッキングヒーター」

IHクッキングヒーターのイメージ画像

コンロからの火災のほとんどは、消し忘れによる出火です(※3)。
そこでオススメなのが、IHクッキングヒーター。鍋の空焚き状態が続くと自動的に通電を停止したり、煮物調理時のこげつきを検知すると加熱がストップし、消し忘れを防ぐといった、さまざまな安全機能が付いています。また、IHクッキングヒーターは火を使わないので、調理中に衣服への燃え移りの危険が少ないというメリットも。

(※3)令和3年版 消防白書「火災予防」より
 

●安心して使える「エアコン」

エアコンのイメージ画像

住宅火災の出火原因3位は、ストーブによる火災です(※4)。電気ストーブによる火災も多くなっています。火を使わないから安全と思うかもしれませんが、電気ストーブに布団やカーテンなどの布製品が接触することで火災が発生します。
そういった意味では、エアコンを暖房機器として利用するのが安心ですね。最新のエアコンには、一人一人の寒さ・暖かさを解析して、それぞれの人に最適な温風を届けるなどの快適機能がついたものが登場しています。エアコンによる空気の乾燥が気になる方は、床暖房がオススメです。

(※4)令和3年版 消防白書「火災予防」より
 

●熱を感知し自動遮断する「コンセント」

感熱お知らせコンセントのイメージ画像

配線器具による火災も多発しています。タコ足配線、プラグの差し込みが不十分なケース、消費電力が大きい機器を複数つないでいる、など、コンセントと差し込みプラグの金属接続部の過熱が原因で火災が起こることがあります。
冬に多いのは「トラッキング火災」。コンセントにプラグを長時間差し込んだままにしておくことで、コンセントとプラグの間にホコリがたまり、それが湿気を帯びると通電している電気により発火します。

心配な方には、異常な過熱をコンセントが検知して、音とランプで警告し、電気を自動で遮断する「感熱お知らせコンセント」というものがあります。冷蔵庫やテレビなど、見えない部分や掃除がしにくい場所、長時間、差しっ放しの場所にオススメです。

「感熱お知らせコンセント」はこちら
 
 

3.さらに安全を考えて選びたい「防炎カーテン」

防災カーテンのイメージ画像

「防炎カーテン」とは、燃えにくい加工をして防炎性能を高めたカーテンのこと。火災が発生したときに被害が大きくなることが考えられる地下街や公共施設のほか、個人宅でも高層マンション(建物の高さが31メートルを超える場合)では、防災カーテンの設置が消防法で義務付けられています。

義務付けられていなくても、避難に時間がかかる高齢者や小さい子どもがいるご家庭では、「防炎カーテン」を選択肢に入れてもいいですね。また、キッチンなど火災が発生する可能性がある場所にも防炎カーテンを検討してみましょう。
 
 

【ポイント】
住宅用火災警報器は「連動型」を設置すれば、火災を感知した部屋以外でも警報を発し、早期発見につながる。
安心の暖房器具としてエアコンや床暖房も選択肢のひとつに。
異常過熱を検知してお知らせ、電気を遮断するコンセントの利用も。
防災カーテンは、避難に時間がかかる高齢者や子どもがいる場合は検討を。

 

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