第25回 省エネと快適の両立
「断熱性能」が高い住まいとは?

住まいの防災講座25回記事のアイキャッチ画像

――第24回では、「ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」が災害時にも役に立つという話をしました。今回は、ZEHを含む省エネ住宅の基準となる法律と、省エネ住宅を建てるときに重要な「断熱性能」についてご紹介。断熱性能を高めるメリットについてもお伝えします。

 

防災知識クイズ
断熱性能が高い住まいとは?
①一年中、室内の温度変化が少ない住まい
②光熱費がタダになる住まい
③壁が厚くて丈夫な住まい

※クイズの答えは本文中にあります。

 

1.省エネルギー住宅(省エネ住宅)とは

温暖化や異常気象など、地球環境への配慮から、エネルギーを効率よく利用することを目指して省エネ法※が作られました。

省エネ法は省エネルギー基準(省エネ基準)を定めており、その基準に適合した住宅を「省エネ住宅」と言います。ZEHも省エネ住宅に含まれます。

住まいの中で生じるエネルギー消費を抑えられるほか、部屋の温度差が小さいため、1年を通して快適に過ごせる住宅です。

※正式名称は「エネルギーの使用の合理化等に関する法律」

 

2.省エネ住宅の目安になる「省エネ基準」

「省エネ基準」は、住宅・建築物の省エネルギー性能を計る基準として昭和55年につくられました。その後、生活の変化に合わせて、平成4年、平成11年、平成25年、平成28年※と改正が重ねられ、「平成28年省エネ基準」では、2つの基準を使って省エネ性能を評価することになりました。

①外皮性能の基準 (窓や外壁などの断熱性能)
②一次エネルギー消費量の基準 (冷暖房や照明等、設備機器の消費エネルギー)

①の「外皮性能の基準」とは、屋根や外壁、窓などの「断熱性能」に関する基準。
「家の中から外へどれくらい熱が逃げるか」「夏場にどれくらいの日射熱が室内へ入るか」の2つの観点から外皮性能をチェックします。

②の「一次エネルギー消費量の基準」とは、冷暖房、換気、給湯、照明など暮らしの中で使うエネルギー消費量に関する基準のこと。

省エネ基準

省エネ住宅ではこの2つの基準、つまり、外皮性能を上げる工夫と、一次エネルギー消費量を抑える工夫をすることで、住まいで使うエネルギーを減らします。

今回は2つの基準のうち、①の外皮性能基準(断熱性能)について詳しく紹介します。

※平成28年度には、「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律(建築物省エネ法)」として新しく法律が制定されています。

 

3.住まいの断熱性能を高めるメリット

住まいの断熱性能
断熱性能が高い住まいは外気の影響を受けにくいため、冷暖房を切った後でも室内の涼しさや暖かさをキープしやすくなります。

すると、冷暖房費を自然に抑えることができるのです。

また、家の中の温度変化が小さいことで、夏は熱中症、冬はヒートショックなどの健康被害のリスクを減らすことも期待できます。

つまり、住まいの断熱性能を高めることは、省エネ効果を高くし、室内の快適性を保つことができるといったメリットがあるのです。
 

【防災知識クイズの答え…①】
断熱効果が高いと、冬は外に熱を逃がさない、夏は外の熱を侵入させないため、冷暖房効果が高まり、一年中快適に過ごせます。

 

4.断熱性能を高めるためには

断熱性能が高い住まいにするには、冬は室内の暖かい空気が逃げないこと、夏は外の熱が室内に入らないことがポイントになります。

そのために重要なのが、熱を逃がさない「断熱」と、熱を侵入させない「日射遮蔽」です。

断熱性能を高める工夫

◆断熱
断熱材や高断熱窓を利用し、熱を逃がさない。

◆日射遮蔽
軒を伸ばして日射を遮る。

間取りの工夫や方位なども関係するため、設計士や専門家に相談し、しっかり検討する必要があります。
また、目に見えない住まいの断熱性能は、「住宅性能表示制度」の「断熱等性能等級」でチェックすることができます。

断熱等性能等級

「断熱等性能等級」はこれまで等級4が最高でしたが、2022年10月からは等級7が最高となります。

等級5がZEHで求められている断熱の基準と同等のため、今後、高断熱にこだわって住まいを建てるなら「等級5」以上をおすすめします。
 

5.断熱性能+耐震性能が高い住まいで安心を

テクノストラクチャーの住宅シリーズ「BASIE(ベイシー)」
心地よく快適に安心して暮らすためには、住宅の基本性能がしっかりと考えられていることが重要です。

断熱性能が高い住まいのメリットはお分かりいただけたと思いますが、もう一つセットで考えたいのが「耐震性能」。地震大国と言われる日本では、頻発する地震に備え、耐震性能も重要です。

テクノストラクチャーの住宅シリーズ「BASIE(ベイシー)」は、「断熱性能」がZEH基準以上を標準としている上、「耐震性能」においても1棟1棟緻密な構造計算を行い、耐震等級3(最高等級)で設計します。

また、大きな地震の揺れを吸収する制震ダンパーを装備するなど、安心して快適に住み続けることができる住まいを実現します。

これから家づくりを検討される際は、断熱性能と耐震性能を基本として、長く快適で安心して暮らせる住まいをおすすめします。
 
 

【ポイント】
断熱性能が高い省エネ住宅の目安は「省エネ基準」
住まいの省エネ性能の評価は、「外皮性能の基準」と「一次エネルギー消費量の基準」の2つを使う
断熱性能を高めると、室内が外気の影響を受けにくいため冷暖房効果が高く、年中快適に過ごせる
断熱性能が高い住まいは、健康被害のリスクを減らすことが期待できる
家を新築するなら、断熱等性能等級5以上がおすすめ
断熱と併せて耐震もセットで考えたい

 

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