第24回 住まいの停電対策④停電などの災害にも強いZEHとは?
――よく耳にするようになった「ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」。使うエネルギーよりも創るエネルギーが多い、もしくはプラスマイナスゼロになるといったメリットがある省エネ住宅のこと。さらにZEHは、万が一の災害が起きた場合にも安心できる住宅です。一体どんな強みを発揮するのでしょうか?
ZEHについて正しいのはどれ?
①エネルギーをまったく使わない住宅
②光熱費がタダになる住宅
③使うエネルギーと創るエネルギーでプラスマイナスゼロになる住宅
※クイズの答えは本文中にあります。
1.ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)とは
ZEHは、使うエネルギー(一次エネルギー消費量)より、太陽光発電システムなどで創るエネルギーが多い、またはプラスマイナスでゼロとする住宅のこと。
エネルギー問題の切迫から、国はZEH基準を満たす住宅のさらなる普及を目指し、2030年度以降に新築される戸建ての6割に太陽光発電設備を設置する取り組みを進めています。
すでに、2020年にはハウスメーカーが新築する注文住宅の約56%でZEHを採用しており、急速に普及しつつあります。
ZEHという名称は聞いた事があるけど、具体的にはよく分からないという方も多いかもしれません。どのような仕組みでエネルギー収支がプラスマイナスでゼロになるのでしょうか。
2.ZEHの仕組み
ZEHは、「断熱」「省エネ」「創エネ」の組み合わせが基本です。
●断熱
高気密・高断熱にすることで、熱の出入りを防ぎ、室内を夏は涼しく、冬は暖かく保つことが出来ます。そのため、冷暖房の使用が減り、使うエネルギーを削減できます。
●省エネ
高効率エアコンやLED照明等の省エネ設備を用いて省エネを実現します。
●創エネ
太陽光発電でエネルギーを創り、創ったエネルギーを使います。
この3つの掛け合わせ、つまり、住宅の断熱性を高め、効率の良い設備を使用することで、使うエネルギーを削減。さらに太陽光発電などを取り入れてエネルギーを創ることで、使うエネルギーと創るエネルギーを相殺し、エネルギー収支をゼロ以下にするのです。
なお、これらの組み合わせは防災の観点からも注目されています。
ZEHは、エネルギーを使わないのではなく、上手に使いながら、太陽光発電などでエネルギーを創り、エネルギー収支をプラスマイナスゼロ、またはゼロ以下にする住宅のこと。光熱費がタダになるという訳ではなく、エネルギーがゼロ以下になるということです。
3.ZEHのメリット
ZEHは、エネルギーの収支がゼロ以下になるだけではありません。ZEHには、他にもさまざまなメリットがあります。
1)光熱費が削減できる
断熱と高効率な設備を使ってエネルギーを削減することは、使う電気を削減することにもなります。さらに太陽光発電で電気を創ることで光熱費が大幅に削減できます。
2)快適で健康にも配慮
断熱性が高い住まいは、住宅の内外の熱の移動が少なくなるので、室内の温度を一定に保ちやすくなります。夏は涼しく、冬は暖かく、年中快適に過ごせます。また、家の中の温度差が小さいので、冬に起きやすい、部屋の温度差でおこる「ヒートショック」のリスクを減らすことも期待できます。
3)災害時の備えとして
「断熱」「省エネ」「創エネ」は、災害時の備えにもなります。台風や地震などで停電が発生した際、太陽光発電を活用すれば停電時でも電気を使うことができます。また、夜に電気を使っても昼に太陽光発電で発電し、蓄電池に充電しておけば、長期間の停電でも電気を使うことができます。
電気を使うことができれば、避難所に行かず、「在宅避難」をすることも可能です。
これから家づくりを検討される際は、地球環境にも配慮しながら、災害にも対応できる「ZEH」を検討してみてはいかがでしょうか。
さらに、地震に強い耐震性も高い住宅であれば、より安心の住まいになります。
次回は、「ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」を建てるときに重要な「断熱」についてご紹介します。
●ZEHは、国が積極的に普及に取り組んでいる住宅
●ZEHは、住宅の高断熱化と設備の高効率化で使うエネルギーを削減し、太陽光発電などを取り入れて、エネルギー収支ゼロとなる住まい
●ZEHは、省エネだけでなく防災面でもメリットがある
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