第12回 地震が来たらどのくらい揺れるの?発生確率は?
――日本全国、いたるところで毎日のように発生している地震。地震で住んでいる地域がどれくらい揺れるのか、強い揺れが発生する確率はどれくらいなのか、ご存知でしょうか?今回は、30年以内にお住まいの地域で大地震が起こる確率を知る方法についてご紹介します。
今後30年の間に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率がわかるのはどれ?
①ゆれやすさマップ
②ハザードマップ
③確率論的地震動予測地図
※クイズの答えは本文中にあります。
1.大きな地震が起こる確率がわかる地図
日本全国で、震度1以上を観測する地震は、2018年には2179回、2019年は1564回、2020年は1714回、2021年は2424回、発生しています(※)。
全国どこに住んでいても大きな地震に遭う可能性がありますが、住んでいる場所でどれくらい強い揺れが発生するのか、その確率を知ることで、災害に備えることができます。
国は、地震に関する観測・調査・研究結果をまとめ、「全国地震動予測地図」を作成しています。
この地図にはいくつかの種類があり、「今後30年間に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率」や「活断層の位置」など、地震に関するさまざまな情報を知ることができます。
出典:「地震ハザードステーション(J-SHIS)」(国立研究開発法人 防災科学技術研究所)
(※)国土交通省「気象庁」震度データベース検索より
2.地震が起こる可能性はどの地域も同じ?
地震で大きな揺れに見舞われる可能性は、どこに住んでいても同じなのでしょうか?
この地図のひとつ「確率論的地震動予測地図」では、お住まいの地域の「今後30年間に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率」を知ることができます。
確率ごとに色分けされていて、揺れの確率が26%以上の地点を紫で示しています。
出典:「地震ハザードステーション(J-SHIS)」(国立研究開発法人 防災科学技術研究所)
■郵便番号や住所を入力するだけ!揺れの確率等がわかる「地震ハザードステーション(J-SHIS)」
26%の確率とはいったいどれくらいの頻度かというと、3%なら1000年に1回程度、6%なら500年に1回程度と言われているので、26%ではおよそ100年に1回程度!
ちなみに、ほかの災害や事故に置き換えた場合、今後30年間で発生する確率は、交通事故でケガをする確率が24%、台風で自宅などが被害に遭う確率が0.48%、火事で自宅などが被害に遭う確率が1.9%と言われています(※)。
地震の確率は、数字だけを見ると低く感じるかもしれませんが、事故などと比較すると、それほど低くはありません。
日本海側や東北地方は、大きな地震に見舞われる確率が低い地域でした。しかし、平成19年には「能登半島地震(M6.8・最大震度7)」、平成20年には「岩手・宮城内陸地震(M7.2・最大震度6強)」、平成23年には「東日本大震災(M9.0最大震度7)」が発生しています。
地域によって違いますが、現在、震度6弱以上の揺れが発生する確率が0%の地域はありません。また、確率が低いからと言って地震が起こらないとは言えないのです。
正解は③
「確率論的地震動予測地図」では、「今後30年間に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率」などを知ることができます。
(※)地震発生確率・地震動超過確率の例と日本の自然災害・事故等の発生確率の例(国立研究開発法人 防災科学技術研究所)資料より
3.「地震動予測地図」を防災に役立てよう
事故や台風などの災害の場合、事故に遭わないように気を付けたり、台風前には備えをする準備ができますが、地震は突然起こるため、対策はより難しいもの。
地震を近い将来必ず起こるものと考えて、今からできる備えをしておきたいですね。
これから家を建てる方は、「地震動予測地図」を使ってこれから住む地域の大きな地震が起こる確率を調べるのはもちろん、その地域はどんな災害が起こりやすいのか、地盤はどうか、土地の状態をハザードマップで確認することをおススメします。
▼今からできる家の中の地震対策については、下記の記事で紹介しています。
▼ハザードマップの活用方法については、下記の記事で紹介しています。
▼地盤の調べ方については、下記の記事で紹介しています。
●「確率論的地震動予測地図」で今後30年間に震度6弱以上の揺れに遭う確率を知ることができる。
●震度6弱以上の揺れが発生する確率が0%の地域はない。
●家を建てる前に「地震動予測地図」や「ハザードマップ」で確認。
地震に強い家をつくるならパナソニックの耐震住宅工法「テクノストラクチャー」